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穴の空いた両の踏切、 向こう側が此方に見えた。 寒く無い筈の懐、 守れずに落ちてゆく。 穴の空いた両の踏切、 目では判別ができないと。 鏡に映る他画像は、 自画像に見えますか。 あの手が届かなかった事、 言葉で出せば届くかと、 黄色の後を、 思い起こすのでした。 電話を拾い上げて、 触れられない液体を咎める。 形だけの回収作業には、 何か悪い事があるのです。 見たく無いモノを見て、 信じ難いモノを信じたのも、 何年前の事かも知れず、 死にはしないが。 全て電子の定めです。 穴の空いた両の交差点、 逃げる温もりを追いかけた。 気が付けば黒に染まって、 不審になってしまう。 穴の空いた両の交差点、 硝子の向こうをそっと見る。 所業のない水泡など、 あの世でも虚像です。 おぞましく美しくなれど、 追い求めるものは同じ。 白色の道を、 確かめるのでした。 風が子葉を飛ばすと言うのです、 三毛猫は振り返っていた、 ゲームで遊ぶ様な赤色の、 幸せを祈っているのでしょうか? 電話を拾い上げて、 触れられない液体を咎める。 形だけの回収作業には、 何か悪い事があるのです。 見たく無いモノを見て、 信じ難いモノを信じたのも、 たくさんの足が歩み始め、 未来を想うのでしょう。