坂道の勾配が、 傾斜の度を差して。 埃を被ったオルゴールは、 カタリと音を立て奏でてく、 視界は狭まり日陰となり、 転んでしまいました。 擦り傷にガーゼを貼って、 独り、また走って逃げていく、 出口は見えず、トンネルの中、 ただ走っていました。 消える魂 その傍ら、 まだ、夢現境界線。 投げた記憶に残っていた、 雨が降っていました。 頭痛のするシアン化物、 目も開けれぬほどに。 欠けた記憶の底に沈み、 誰も思い出さず消えていく、 滑り落ちた携帯ゲームは、 全てを見ていたのか。 己を卑下しても、何も、 意味はない事、知っている筈、 しかしそれをやめられずにいる、 逃げるアンソロフォビア。 消える魂 その傍ら、 まだ、夢現境界線。 投げた記憶に残っていた、 全てあなたの影です。 布に通した糸を留めて、 今日も小鳥は囀っている。 埋めた筈の望遠鏡が、 錆びついた刃物を投げてきた。 消える魂 その傍ら、 まだ、夢現境界線。 投げた記憶に残っていた、 全てあなたの█です。 暗闇の向こう側から、 第三の目を向けられて、 心、空いた穴は塞げず、 読まれていたのか。