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錆び付いた仕切りの内 温い風が 吹き付けてくる 止まれの標識はいつも通り 地面が濡れてました 見つけられて 逃げまどって 夢の中の事で 血が滲んで 脚は崩れ 夢から覚めていた 無情な世は 切り離して 草葉の陰にいる 腐食されて 褪せた色も 囀りを殺して 身を潜める 身を焦がす程に 陰鬱に影が堕ちて 織り交ぜた憾みも 眼が眩んで 錆び付いた仕切りの内 温い風が 吹き付けてくる 止まれの標識はいつも通り 地面が濡れてました 振り向いて足が縺れ 温く脆い 風が吹いている カーブミラーにも映りはしない 身体は溶けていました