: 49795
: 867
お布団の中にもぐって 室内機眺めてた 冷たい空気と熱い視線が こちらに流れてきた それは 血走った目が一つ 鋭くて 穴の開いた突起をこっちに向けている 干からびる 干からびる 水 水 水 水をください 干からびる 干からびる 皮だけになってしまった 畳の上に寝ころび聴いてた蝉時雨 開いた窓 冷たい視線と暑い臭気が こちらに流れてきた ここは(それは) 団地の最上階(空中を漂っていた) あれは何(大きな口) 目玉 目玉 目玉(無数の歯) 全てが ギョロリとこっちをしっかり見つめてる(迫ってくるのだ) ああ ウグイスやトンボは殺された ウサギも殺された (アジは頭だけ) カツオは尻尾だけ ああ ラジオをつければ ウナギとナマズが 残りました と鳴りました 鳴りました 溶けてゆく 溶けてゆく 溶けてゆく 溶けてゆく 溶けてゆく 溶けてゆく 溶けてゆく 溶けてゆく 水 水 水 水にされてゆく 溶けてゆく 溶けてゆく 一つだけに なってしまった