*Yuu
麦茶と風鈴 | 46 | |
合作 | 647 | 陽炎が伸びる8月頃のこと、 スマホが熱を上げ動かなくなり、 気づけば穴が目の前にあって、 身動きが取れないのです。 友達が偶然通りかかって、 手を差し伸べて来ました。 その手を掴むと彼は、 私を突き落としたよ。 飲みかけの麦茶が零れていく。 何もできずただ落ちるぼく。 風鈴の音が鳴った直後に、 いつの間にか元に戻っていた。 日照りの強い8月頃のこと、 さっきの友達が笑顔で手を繋ぐ、 その手はひんやりとしていて、 ずっと握りしめていたい。 飲みかけの麦茶飲み干していく。 団扇を扇ぎ汗を流すよ。 刹那、また風鈴の音が鳴る。 暑さは途端に途方へ消えた。 家の帰り道が、 分からなくなりました。 全て███の所為です。 |