竹原ヒロ
夕立に駆けていた | 11 | |
153 | 長い日となりますが あなたさまはお元気ですか? きりがかるまちの山で この手紙を書いていました ソラに相変わらずのシャチが ひとつぶのしずくおとして あの子のゆめの羊の歌を すくい上げていた 雨の中、長くつはいた トコトコとゆうびん受けを見た アイも変わらずそこにはない 少し足がさむいんだ… 雨の中、言葉を借りた 少しもにてもにつかないのだ しずむように とけてきえるように 少し足がさむいんだ… |
あめんぼのそうれつ | ||
信号機で立ち尽くす アメンボの葬列 霧掛かるお山の上 汽車が通り過ぎます 十円の幾何学模様 ブリキの目ん玉が 明日を向いていました 昨日が遅れました 嗚呼 蜘蛛がゆらりら 缶ジュースを飲み干したら 一昨日が今日になりました 少し暑いです くるり股下覗いてみたら (検閲済み)が見えた 逃げろ逃げろすぐに この街の外へ |
じんじゃがみえていました | ||
じんじゃがみえていました やまのしたのくれがたき ひるあんどんはみていました じぞうさまのそのあくび あめんぼのおみあしから ふりだしたさいのめだま じゅもくがわらいだしたら もうかえりのじかんです はらりてのひらが あかいひにかさなる あはれなりとうたう てんとうむしのいのちは そこのけとおるなかれ かくりよはいみじくひかりける わすれがたきこきょうには いまなきかたりのいましきよ そこのけとおるなかれ かくりよはいみじくひかりける わすれがたきこきょうには いまなきかたりのいましきよ |