合作 |
1850 |
半分のからだに寄る
赤い、赤い無数の手
えぐりこんでかたどって
溶けた雪が凍りつく
背中の大きな口が
見られちゃわないようにくらす
ホントのこと
言えなかった
「なんでもないよ...」
吐く息がかじかんで
かすれ切った喉がやける
誰を呼べるわけでもなく
ひとりさまよいよがふける
爪先の毒がおなかがすいたと
駄々をこねる
美味しそう、あの子の腕
みないふりで誤魔化すの
夕闇凍る 混ぜ歌のこえが
とおくとおくで うねりうずまく
醜怪覆う マゼンタの棘は
酷に餌を待つ
冷たい 臓は跳ねず
しぼんだまま きゅるり泣く
冷醒めない 欲の熱が
しがみついて とけてゆく
愛想笑いの暮らしと
嘘だらけの夕御飯に
そっと、隠れて2、3人
知らぬ間に飲みこんでる
からから、渇く喉
潤す 赤い、甘い、殻
くずれた人の山は私のせい?
夕凪通る 枯れ草の骨が
とおくとおくで 呻きうずくまる
融解→凍る マゼンタの棘じゃ
もうもどれないかな
夕闇凍る 混ぜ歌のこえが
とおくとおくで うねりうずまく
醜怪覆う マゼンタの棘は
何も言わぬまま
夕闇凍る 混ぜ歌の鼓動が
とくとくと 愁い燻らす
醜怪覆う マゼンタの棘は
もう止まらぬ茨
溶け出す 食欲は
満つことなく すすり泣く
固まる 思考と体
しがみついて凍りつく |