想う、何処か懐かしいこの感覚、 無意味と投げ捨てたあの頃の記憶、 自分を隠し続けていたわたしに、 手を差し伸べてくれたのはだあれ? 笑う、誰かの姿を横目に見る、 ずっと逃げ続けていた自分に浸って、 「何故なの?」と問うあなたの視線の先には、 ありふれの日常が在った。 孤独と虚無の渦へと吸い込まれていく。 愛情という名の偽善者が、 わたしの心を縛っていく。 容を吸い取られ、 羨望の夢を描いて行くのです。 想う、夕暮れの中ひとつの信号、 雨粒に打たれて彼を思い出す、 聞こえてくるのは静かな蛙の声、 意味を与えてくれたのはだあれ? 香る、草木にからだを寝かせ虚ける、 濁った空にわたしの思いを伝えて、 迷いも無い一筋の光が指す先、 荒んだ街並みを見ていた。 哀れと簡略された此の世に呑まれてく。 愛情という名の偽善者が、 わたしの心を縛っていく。 容を吸い取られ、 羨望の夢を描いて行くのです。