: 2993
焼け焦げた両足で、 天界へは入れずに、 苦いだけの水は、 零れて消えていく。 焼け焦げた両足で、 地底へは入れずに、 温かなその手には、 視神経の一部がある。 左目の無い四十の 調印を押された人を、 不気味な雀が、 喰らうのでした。 不快な音が聞こえて、 善悪が絡まる、 過疎化したこの領域は、 持続性の毒があるのです。 願いたいコトだけを願い、 祈りたいコトだけを祈り、 目を開けた時はまだ早く、 死を待つのでしょう。 全て希望の所為です。 焼け焦げた両足で、 信号を鳴らしていく、 気が付けば底には、 黒い水しか無かった。 焼け焦げた両足で、 紺碧の空を見る、 意味を立てる貴方は、 彼の世に存在しているのです。 闇になり光になって、 険悪な顰蹙達が、 奥底で藻掻いて 死ぬのでした。 また緩やかに翻して行く、 みんな止め方もわからずに、 行く末のわからぬ道を、 孤独でまた歩くのです。 不快な音が聞こえて、 善悪が絡まる、 過疎化したこの領域は、 持続性の毒があるのです。 願いたいコトだけを願い、 祈りたいコトだけを祈り、 未練色の桜吹雪が、 彼を待つのでしょう。