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ある日のことでした 雨降り、かすみ隠れ 先の見えない帰り道 急ぐ急ぐ 家の帰り道が 分からなくなりました 午後八時過ぎ、街路灯 消える消える 歩くのも疲れて 意識もだんだん遠のいた 視界もぼやけてく 誰かの声が耳に残る 此処へ来てはいけない 振り返ることすら許されず 考えてはいけない ソレを見ることすら許されず どれだけ離れても ここから無限ループ 見覚えのある三叉路を 戻る戻る 標識の読み方も 分からなくなりました 午後十二時の境界を 越える越える 走るのも疲れて 息をすることもできなくて 記憶は曖昧に 誰かの足音近づいて いる 此処に居てはいけない 立ち止まることすら許されず 顧みてはいけない ソレを知ることすら許されず 此処に居てはいけない/此処へ来てはいけない 立ち止まることすら許されず/振り返ることすら許されず 顧みてはいけない/考えてはいけない ソレを知ることすら許されず/ソレを見ることすら許されず