猫
夢渡 | 9 | |
320 | 何分前かに 消えた言葉たちが ゆうれいになって 宙に浮かびました 空を見上げたら 道があった 何日前かに 明るい空の下 漠然と運ぶ料理は 機械の味 真っ赤な 亀裂の下から 何分前かに 逆上る誰かの影 現世と誰かの夢が 繋がりまして 雲の隙間の 光の柱が なんでもない 空の下 薄柳の川 道路の先が 海に沈んでいる ねこは夢の中で 絶えず増えてく 日の出とともに 消える現実濃度 青い夕方 薄味の砂糖 愛を詰め込んで くれますように |
ゆめうつつ | 49 | |
532 | ねこは夢の中で増え 屋根の一部が同化してて こたつから出てくるの 目眩でわからなくなりました まだ夜が明けるまで長いのに このまま次の朝日を目指して たいくつな夜空にさよなら言って このまま前の朝日を思い出し おなかの上に猫が乗ってる |